擦文文化期の品が多種多様に出土
オサットーとユカンボシ川等の中小河川による低湿地と微高地に立地
JR千歳駅の北方約6km、標高8m前後の水田地帯に位置する。古くはオサットー(沼)が広がり、千歳川を蛇行して石狩低地帯東縁の湿地帯を形成していた。
遺跡は、このオサットーとユカンボシ川等の中小河川による低湿地と微高地に立地しているため、木製品などの有機質遺物が多数出土することが予想される。
基本土層の区分は、千歳市に所在する美々8・オサツ2遺跡等の低湿地遺跡。 このうち包含層は、第0・1・2に相当する。
遺構と遺物
遺物は土器・石器等約10万点、木製品等が破片で約35千点出土したほか、土壌水洗等で種子・骨・昆虫なども確認している。
土器はUB層(第T黒色土層)では摩滅した状態で散在的に出土する。縄文時代中期〜後期が主である。
木製品類は殆ど0B・1B層から出土したものである。柱・杭などの建材、割材類、丸木材、枝材、炭化材、樹皮などがある。
製品には交易で得た漆椀・曲げ物・竹製品等、自家製品の舟部材と櫂・櫂軸受け・あかくみなどその関係品や板、叩き棒、器類、串箸、矢中柄、花矢、かんじき、などが確認されている。
これら木製品は当時の人々の生活や交易を知る重要な資料である。特に、擦文文化期の品が多種多様に出土することは、今後、当該期とその前後の状況や木製品を研究する上でよい資料になるであろう。