遺跡・遺物写真と整理概要
旧石器〜近世アイヌ文化期の複合遺跡
ユカンボシC15遺跡―3
遺跡・遺物写真と整理概要・ 旧石器〜近世アイヌ文化期の複合遺跡
木製品には、舟とその関係品・生活用品・狩猟具・祭祀具・建築材のほか、漆椀・曲物・竹製品などの本州産品も含まれている。
調査は平成8・9・10年度の三年間行われた。報告書は順次掲載している。
遺跡からは、平成8年〜10年度の調査でおよそ1,200〜1,300年前の擦文文化期からアイヌ文化期にかけての木製品が多量に出土しています。中でも注目されるのは、舟とそれに関連する舟敷(舟底)・舳(へさき)・舷側板(げんそくばん)・舟縁材・早櫂(さっかい)・車櫂・車櫂受台部などの遺物です。これらの出土資料は、当時の人々の活動や交易を知る上で大変に重要な意味を持っています。
この時期の舟には、丸木舟と板綴舟(いたとじぶね)があります。板綴舟は、丸木舟の側面に舷側板を重ね合わせて綴じ上げた半構造舟で、外洋航海ができるほどの大きさと強度を備えています。
写真は舟敷部を復元している様子です。この舟敷は、側縁や先端の上方が削り落とされて、大型槽(そう)に再利用されたものと思われます。