オルイカ1遺跡
かつては「キウス13号周提墓」
アイヌ文化期のコタン(住居群)跡

  オルイカ1遺跡

  かつては「キウス13号周提墓」

  アイヌ文化期のコタン(住居群)跡

  遺跡は、千歳市街から北東方向に約5.5km、国道337号線とオルイカ川の交差するところに位置しています。調査区は段丘部と斜面部に大きく分けられ、段丘部ではアイヌ文化期の家跡・鉄器等が確認されています。一方、縄文時代の遺構・遺物は、調査区のほぼ全体から確認され、後期・晩期のものが主体になっています。
 主な遺構としては、土器の破片で囲った炉をもつ後期の竪穴住居跡や、晩期頃と考えられる道跡などが確認されています。

  かつては「キウス13号周提墓」として周知されていたが、平成13年に北海道教育委員会が行った試掘調査の結果、周提墓が存在しないことが明らかとなり、「オルイカ1遺跡」という名称に変更された。

  遺構と遺物

  樽前c降下軽石層(W層)の上位の「V層・第T黒色土層」、下位の「X層・第U黒色土層」と呼称した黒色土層から多く確認された。X層以下漸移層(Y層)の出土は少ない。

  V層の主な遺構としては、アイヌ文化期の平地住宅跡(USD−1)が1軒確認され、鉄器や礫類が出土した。

  包含層出土の遺物は、全て縄文時代晩期後半のものである。X層からの出土点数が圧倒的に多い。

  おおまかには、ほぼ調査区全体から認められるが、南側の段丘部に最も多く、低地部では少ない。

  土器は1,913点。縄文時代後期初頭のタプコプ式(縄文時代後期前葉のタプコプ式期・約3,800年前)が最も多い。後期中葉のものは少ない。

  石器類は439点出土。剥片石器としては、石鏃、石槍・ナイフ、つまみ付きナイフ、スクレイパー等が出土している。

  多くが黒曜石製であるが、つまみ付きナイフは頁岩製が多い。磨製石器としては磨製石斧があり、礫石器では、すり石、敲石、砥石、台石がある。