キウス4遺跡R地区出土の木製品
この遺跡から北東約300mのところには、縄文時代後期後葉に作られた大規模な集団墓地である国指定史跡「キウス周提墓群」がある。
遺跡の南西部にあるR地区の低地部から縄文時代後期後葉(約3,200年前)の木製品が出土した。
出土した主な木製品は石斧柄、脚付容器、把手付容器、杭などがあり、破片を含めると約590点になる。
出土した木製品の中で脚付容器などについては、大型で収縮、変形しやすい木取りであり、大変貴重な資料となっています。
脚付容器はいずれも全体の半分程度しか出土しておらず、本来は脚部から4ヶ所についた盆状の容器と思われる。
長さ約73cm、幅27cmで長い方の口縁部に3ヶ所の切り込みがあり、底面には脚部の破損痕が2ヶ所ある。
出土したときに細かく破損していなかったため、既に報告が終了したものです。大きさは長さ53cm、幅約18,9cm、脚部2ヶ所に残っている。
把手付容器は縦割りにした木の内部をくり貫いて端部に把手と思われるものが2ヶ所(残っているのは1ヶ所のみ)付け、持ち易くしている。
全体の長さは不明であるが、恐らく両端に把手を付け二人で持ち運んだと思われる。
現存する大きさは幅約32cm、長さ約20cm、容器の深さは約22cm。
これらの容器類の木の種類はトリネコ属と同定され、ヤチダモ、アオダモなどが推定されます。木は堅く粘りがあるため家具やバットなどに利用されている。
縄文時代の木の利用については、これまでの調査例からその用途によって木の種類を使い分けていることが解っている。
キウス4遺跡から出土した木製品についても同じような傾向が見られます。