遠軽町と先史資料館ー5


先史資料館


電話 0158-42-8295



遠軽町の中心を流れる湧別川流域には、言葉や文字の文化がまだ生まれていなかった先史時代の人々の残した貴重な資料が多量に発見されています。このことは全国的にも知られ、毎年多くの研究者や考古学を学ぶ学生が遠軽町を訪れ、本館の豊富な展示資料は、質・量ともに日本一と言われています。太古が息づくこの資料館で、しばらくの間、遠く一万年前にさかのぼり、現代に語りかけてくる何かを感じながら、豊かなひとときをお過ごしください。

あ ら ま し

住  所

遠軽町西町1丁目太陽の丘えんがる公園内

開  館

昭和58429日(遠軽町内の貴重な埋蔵文化財を保存・整理するため建築)

展 示 概 要

1階展示室

遠軽町の考古学研究家として知られる故遠間栄治氏が、昭和の初め頃から各地で集めた資料を展示しています。入口正面の大きなケースに入った石器類は、日本国内でも珍しいものです。道具として作られるまでの過程がそろって示されていることから、当時の生活文化を考える貴重な資料として注目されています。展示されている石器が使われた時代は、まだ人々が狩と収集の生活をしていた頃で、作り出した知恵・技術は非常に高度なものです。

2階展示室

1階の遠間氏のコレクションよりも新しく、用具として生活文化の変化に対応した高度の技術と知恵が加わり、より精巧なものとなっています。また、土器、化石、石製装飾品も展示しています。

展示総数

常設展示品3,354点 さらに1,110点の石器が1階収蔵庫に保管

石器の種類

石器の種類

呼 び 方

説    明

石刃

ブレード

縦に細長く、長い方の両辺がかみそりのようにするどい。けものの肉や皮を切る時に使われたり、ほかの石器をつくる原材料になる。

細石刃

マイクロブレード

細長い小さな薄いかみそりの刃のようなかけらで、幅が1cm以下のもの、骨や棒などにみぞをつけたものに、いくつも埋め込んで槍の先に付けて使われた

細石刃核

マイクロブレード・コア

一つの原石から、次から次へと石刃をたくさん取った残りを石刃核という。石刃技法には、湧別技法という優れた技法の白滝型、札滑型のほか、峠下型、蘭越型、忍路子型がある。

彫器

ビュアリン

石器の一端にちいさな「とい」のような刃を付けたもの。荒屋型は彫刻刀のように使った。ホロカ型は肉を切り刻む道具として使われた。

尖頭器

ポイント

木の葉のような形に先をとがらせて、物を突き刺すための道具。

有茎尖頭器

タングドポイント

小型の尖頭器の根本に柄を付けるとび出しの加工がされている。投げ槍として小さな動物をねらった。

石錐

ドリル

尖った小さな三角形の刃をもつ石器。服やテントをつくるため、毛皮に穴をあけるための道具。

掻器

エンドスクレーバー

石刃などの細長い石のかけらの先端や末端に、急角度のまるい刃をつけたもの。動物の皮なめしに使用された。

削器

サイドスクレーバー

石刃や縦長の剥片のふちに細かい加工をし、皮や肉、木などを切ったり、削ったりする道具。

舟底型石器

ボートシェイプトトウール

大きな剥片や、母岩の平らな面を打ちかいて、舟のような形に仕上げた石器。ホロカ型細石刃核の素材となったものと、毛皮のなめしに使った道具もある。

砥石

ウェットストーン

針や骨角器、矢柄、石斧の刃などをみがくためのもの。あらい、やわらかい石でつくられている。

各種細石核(白滝型・札滑型.峠下型・忍路子型・蘭越型・幌加型・広郷型)